Longhouse with an Engawa
2018
ID: 000013071
計画中の小規模多機能型居宅介護施設である。クライアントは10年にわたって、宅老所という形態でデイサービスを営んでいるが、介護は地域で見ていかなければ、立ち行かないのだという。「助け合い」という資本主義経済を超えて、地域の人たちが集まる建築を目指している。 主用途となる小規模多機能型というのは、核になる「デイサービス」、「宿泊」、「訪問介護センター」で、その地域に必要なケアサービスを複合化した用途である。この計画ではそれに加え、「こども食堂」と障害者の就労支援スペースとして「工房」、「寺子屋」を併設して計画している。南北に細長くゆったりとした起伏を持った敷地に対して、一枚の長い縁側に様々な人々が佇むような風景をイメージした。地面との関係が近いところは、従来の縁側であるが、地面と離れると縁側は宙に浮き、高さ2mそこそこの縁の下には、雨水を活用した水辺を設えた。子供の遊び場や床上の外部空間に対しては川床のように冷気を呼び込み、人々が憩うための設えとした。 長い縁側に面して畑は、ここを訪れるこどもたちや地域に人たちによってサポートされ、収穫した野菜や果実はこども食堂の食材に使われたり、加工して販売したりする。外部の川床となる縁側に面した工房も同様に、施設にとっての小さな生業である。この計画は、自分たちの未来のために新しい営みを支えるための場づくりである。
![]()
![]()